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ブログ - 禅と茶道 1現代と茶道 利休に帰れ(6) 緝熙庵内田慧純老禅子

禅と茶道 1現代と茶道 利休に帰れ(6) 緝熙庵内田慧純老禅子

カテゴリ : 
ブログ
執筆 : 
八王子支部 2020/2/19 21:15
(3)茶の湯の女性化①
 現代茶の湯が流行しているのにもかかわらず、その内実においてすたれつつあるとすれば、その要因はどこにあるのでしょうか。
 時代の潮流の影響を受けていることはいうまでもありませんし、もちろん茶の湯の伝統を支えている人びとの責任が大きいのですが、ある人が、茶の湯の堕落は、茶の人口の女性化にあると指摘しています。一般のあいだに茶の湯が普及し茶はあたかも女性の占有物のようなありさまとなってきています。昔、茶席に女性が出ることさえ許されなかったことを思えば、隔世の感があります。
 茶の湯の普及の歴史をふりかえってみますと、結婚前に女性が茶を習うという風習が、明治以降の良妻賢母を育てる教育方針に伴い徐々に定着して、女性の茶人口が増加してきたのです。第二次大戦後は、女性解放、女性の経済的自立の潮流にのって、華道や舞踊などの他の伝統的芸能や、その他あらゆる分野の傾向と同様に、茶の世界への女性参加が急激に進んできました。学校、職場、社会のさまざまの教育分野で茶を稽古する女性の数が、かつてないほど多数にのぼってきたのです。
 このような大衆化が俗化につながりやすいのは茶の世界ばかりではありません。急速に進んだ生活様式の西欧化、利便化とともに、このような女性化が茶の世界に影響を与えずにはおかないでしょう。本質を見失い、趣味に止まり、遊芸に堕していると指摘される現状のなかに、たしかに女性化のひき起こした問題があるといえるでしょう。
 東洋的精神は茶道にもとづくもの、と主張した岡倉天心の『茶の本』などを学び、東洋の心にふれる期待をもって訪れる欧米人が日本の茶に接して、「どうして本当のお茶を私たちに御馳走してくれないのですか」と問いかけると聞きますが、たしかに、セレモニーとして、外国人を接待する今の茶会では、若い女性が着飾って、はなやいだ雰囲気のなかでお茶がすすめられますから、点茶の作法や特異性や、日本文化のはなやかな美に対して異国情緒は感じ取れるでしょうが、これでは本当のお茶をと言われるのも無理からぬことです。最近一般化したいわゆる大寄せの茶会では真の茶味は味わえないと思われるのですが、 茶会はほとんど大寄せとなってしまいました。
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